2013年5月26日日曜日

栃の葉の季節

つつっこorつとっこ・・・と呼ばれる山里の携帯食があります。
栃の葉っぱで餅米と小豆を包んで煮た物で、葉っぱが柔らかすぎても固すぎてもダメなので、この季節はまさに良い時期なのです。


「昔しゃあ、山にはいる時は、幾つもこさえて持って行ったんさ。山で火ぐれえは燃せるから湯沸かしても一回煮れば暖けえんがくえるんさ。」
「お蚕の時期にゃあ忙しいもんだで、つつっこ作っといて、お蚕上げの時にゃあふるまったもんよ。餅米と小豆煮てあるんだでおごっつおうさ。」

広げた様子はこんなです。
ごま塩をかけて戴きます。
栃の葉っぱには殺菌作用があり、葉っぱで包み煮ることで日持ちがする。
山里では、米は採れず、餅米を使うことで特別なお持てなし食でもあった。
葉っぱが良い時期は旧暦の端午の節句の時期に重なり、行事食としても活躍です。

それぞれの屋敷内に栃の木が植えてあり、おら家の葉っぱは広くて包むのに良いなど、自慢話もでてくる。
そんなつつっこ食べに来てくんない!
(特別食なので、前日にはご予約を! 一晩餅米を浸水させないといけませんので。)